中学部:中学部通信卒業記念号 学園長ブログ~可能性のとびら~-6
2026年3月25日
6,認知の歪みを改善するには・・(問題行動を少なく社会性を育む取り組み)
人の行動は、その人が不安やストレスを感じている際にふと考える思いがその人の感動に大きな影響を与えると考えられています。何かを否定的に考える人の行動は人を傷つけたり、やらなければいけないことから逃げたりして、人に迷惑をかける問題行動に繋がるケースが多いのです。
いじめの例で言うと誰かをいじめなければ必ず自分がいじめられてしまう考えや、クラスの友だちと仲良くなる未来より、自分が阻害されるような否定的な未来が待ち受けていることをいままでのいじめられた経験から確信してしまうような考えは、認知(人の考えや信念)の誤りに起因しています。誤りが日常的になり、常同化してしまうと、その誤りは発達の歪みになり、草木の根のように深く地中を張り巡らし問題行動は頻発します。その誤りを突き止め、その誤りから派生する問題行動を少なくするために行動規範を正し、意識的に規制できるような働きかけで認知の誤りを改善していく治療方法を認知行動療法と言います。医療機関や福祉施設、学校での特別支援教育などでプログラムされているSST(ソーシャルスキルトレーニング)などで多く取り入れられています。
不安な気持ちを改善するにはどうしたらよいでしょう。それは自分自身に自信をつけることが一番有効な方法になります。ASD(自閉スペクトラム症)、ADHDの傾向がある人たちは自己評価が高く、自分の欠点を素直に認められないことから、自分に自信がないことを隠しながら「嘘をつく」「ごまかす」「報告しない」または「人のせいにして相手を攻撃する」などの誤学習が身についてしまっています。そんな人ほど周りから見ると「なぜあんなに自信がもてるの?」「根拠のない自信」「謙虚さがない」など周りから反発を買う人も少なくありません。誤学習の背景には自分自身のコンプレックスや自信の無さが起因している人たちがほとんどです。
自分自身には自分でも気づかない、良いところ、悪いところ、できること、できないところがあります。できるところには、自分では気づいてないだけで他の誰よりも優れているところ、他の人ができないことができることもあるのです。そのことに気付かせてあげること、できることを褒めてあげてもっとできるようにしてあげること、そしてなるべく多くの成功事例を積み重ねることで自分にできるという実感を植え付けていくことが自己肯定感の高さにつながります。それは『自信』となります。人間関係も自分に自信があれば、自尊心が高まり、心にゆとりが生まれてきます。心のゆとりは、他者を許し、他者の要求や他者の気持ちを、自分の主張より優先させてあげる、気持ちのゆとりが心の大きさにつながってきます。そのことができれば必ず人間関係が今よりうまくいくようになるでしょう。クラスでもお友だちが多くなり、自分を助けてくれたり、認めてくれたりする人たちが多くなり、充実した学校生活を送れるようになるでしょう。そのことは将来、就労するためのスキルと直結するのです。
自然学園中学部では、将来的な就労や企業での就労実習に役立つための「感覚統合、作業やSST(ソーシャルスキルトレーニング)」などのプログラムを授業として提供しています。具体的な対応を学ぶことで、学校生活の場面でもほめられることが多くなり、うまく人とつながることへの積極性が生まれてくるはずです。自信を持てるようになることが社会性の向上の何よりも優れた特効薬です。そのことは人のつながりや学校生活における不安や緊張を緩和することにも効果を発揮するでしょう。





